難病の患者さんのケアで大切なこと

治療方法が明確になっていない「難病」に指定される病気は、病状が進行していくものが多い傾向にあります。
そんな難病の患者さんを看護師がケアする上で、大切なことがあります。

まず挙げられるのが、患者さんの状態や病態が今どの段階なのかしっかり把握してケアしていくという点です。
そのためには、観察力や気付く力が求められます。

また、患者さんと積極的にコミュニケーションを取ることも大切です。
一人ひとりと話をして心身の状況を把握し、その人に合ったケアを医療チームで連携して考えることが、質の高い看護へつながります。

難病の患者さん自身も、変わりゆく自分の状態を受け止めながら、その都度治療の選択を迫られて生活しています。
さらには変わっていく自分の状態に大きな不安を抱えていることもあるでしょう。

「身体が動かなくなったら」「言葉を話せなくなったら」など、生活に大きな影響を与える事態も起こり得るため、先の不安は想像以上に大きいものです。
その場合、先々を見据えた話をした上で患者さんの意思決定をサポートし、寄り添う姿勢が求められます。
決して患者さんの気持ちが置いてきぼりにはならないように注意する必要があります。

さらに、患者さんの家族に対するサポートも重要になってきます。
患者さんの状態が変化する際にはきちんと家族に助言をし、家族への負担が大きいと感じた時には支援団体や施設を紹介する必要も出てきます。
このように家族に寄り添う姿勢は、患者さん自身の安心にもつながります。

治療方法が明確になっておらず、先も見えない難病の患者さんは、体力的にも精神的にも追い込まれやすいものです。
そんな中、側で付き添い後押ししてくれる看護師がいることで、患者さん本人の心身の重荷は軽くなります。

患者さんの治療もメンタルもサポートしたい看護師にとって、難病の方へのケアは非常にやりがいがある仕事だと言えるでしょう。
そんなサポートに尽力したい看護師の方は、ぜひ難病の看護ケアの知識を知ることからはじめてみてはいかがでしょうか。