難病の患者さんの多くは、療養が長期にわたるため入院治療ではなく自宅療養をします。
そのため、この分野に携わる看護師は、外来受診で通院する患者さんのサポートだけでなく、自宅療養の患者さんのお宅に訪問する訪問看護に携わるケースも多くなります。
そんな訪問看護ケアを提供する上で、いくつか知っておきたいポイントがあります。
まずは、患者さんの病状に合わせて必要な看護ケアを提供するという点です。
難病は治療法は確立されていませんが、同じ症状がずっと続くわけではありません。
実際、少しずつ進行することが多いです。
病状の進行度合いによって患者さんに必要なケアも少しずつ変わっていきます。
そうした変化を把握して的確に調整することが、看護師に求められる役割です。
次は、患者さんの意思決定を看護師の立場から支援するという点です。
終わりが見えない療養生活を続ける患者さんの多くは、毎日を不安な気持ちで過ごしています。
病状が少しずつ進行する上では、人生の決断を迫られることが何度も起こります。
例えば「排泄ができなくなったらどうするのか」「自分で食事が自分でできなくなったらどうしよう」などです。
こうしたつらさは当事者にしかわからず、誰にも相談できずに抱えるケースも多くあります。
看護師は、そんな患者さんに対し、現在の医療でどのような選択肢があるのかをしっかりと情報提供し、当事者の意思決定をサポートする必要があります。
その上で、他の職種のスタッフと連携しながら、患者さんのQOLを向上できるよう手助けを行うことになります。